the Cat Met with Special Boxes.

第1話 公安9課 SECTION-9

こうあんきゅうかPublic Security Section 9

粗筋

新浜市内の料亭で外務大臣が芸者ロボットに拘束された。
現場に急行した公安9課は、この一件に軍の調査部が介入したがっている事を知る。
混乱する現場の状況を一括した荒巻は、素子らに突入を指示。
無事、大臣の保護に成功するのだが・・・


登場人物

用語

セリフ

あらゆるネットが眼根を巡らせ
光や電子となった意思を
ある一方向に向かわせたとしても
”孤人”が
複合体としての”個”になる程には
情報化されていない時代・・・

A.D.2030

ドレッド「ドレッドからサマセットへ。外壁と屋上の空調機に睡眠誘発ガス注入装置の取り付け完了。」
サマセット「了解。0220にセットし、合図を待て。」

ドレッド「くっ」

ドレッド「ぐああぁあ」

ドレッド「ぐ・・・ぐああぁあ」

ドレッド「お前等警察か。最早体制に正義は成し得ない!」
草薙素子「世の中に不満があるなら自分を変えろ。それが嫌なら耳と眼を閉じ口を噤んで孤独に暮らせ。それも嫌なら・・・」

荒巻大輔少佐。全員装備A2で召集をかけろ。場所は82-D3。
草薙素子:聞いた?バトーバトー:ああ、聞いてるよ。

a stand alone episode:公安9課 SECTION-9

警察1「納得のいく説明無しに指揮権を渡す事は出来ん。この事件は警察管轄だ。」
久保田「説明する責任はない。意地を張らずに我が軍に指揮権を譲りたまえ。」
警察2「そちらこそ。」
荒巻大輔「詰まらん事で揉めていて構わん状況か?」
警察一同「あ・・・」
久保田「荒巻・・・」
荒巻大輔「問題は中の客の方だろう。」
警察1「はっ・・・現在拘束されていると思われる客は外務大臣、そして大臣の秘書官、大臣の後援会長と北米産業振興会からの来客が2名。芸者ロボットが大臣達を拘束してから17分が経過した所です。」
警察2「自力で脱出してきた女将の話ではその後2名の犠牲者が出たかもしれないとの事ですが、現在料亭内の状況がどうなっているかは確認出来ておりません。」
荒巻大輔「犯行声明や要求は?」
警察2「今の所ありません。」
荒巻大輔「通信封鎖は?」
久保田「内でやってる。」
荒巻大輔「報道管制は?」
警察2「コード14を実行して9分。長くは持ちません。」
荒巻大輔「本件は今より公安9課が処理する。そのまま待機しろ。」
警察「はっ!」
荒巻大輔久保田。」

荒巻大輔:軍が介入したい理由は?
久保田:内の関係者が中にいる。それ以上今は言えん。
荒巻大輔:分かった。事情は後で聴く。儂に任せろ。少佐
草薙素子:まだよ。
荒巻大輔:軍が介入したがっている。背中に用心しろ。
草薙素子:ご親切にどうも。バトーバトー:まだ移動中。さっき狙撃隊の通信聞いたら盗聴ノイズが入ってたのはそれか。
草薙素子トグサイシカワイシカワ少佐、回線が多すぎる。特定に2時間はかかりそうだ。
草薙素子トグサ、中庭に出て突入に備えろ。
トグサ:了解。
草薙素子サイトーサイトー:映像カーテンは中和したが、木が多く狙撃可能範囲は狭い。
草薙素子パズボーマパズ:いつでも。
草薙素子ロボット芸者を操作している奴が近くにいる筈だ。トランスは撃つな。敵が証拠を消す前にウイルスを送り込む。
バトー少佐ロボット芸者が待遇の改善を要求してきたら?
トグサ:あんたは・・・
草薙素子:全員そのまま。スタンバイOK。
荒巻大輔:よし、行け!
草薙素子:GO!

男「う・・・ああぁ・・・は・・・」

草薙素子パズボーマ、探査ウイルスを追跡しろ。バトーは援護を。」
バトー:ああ、いい響きだ。
草薙素子:ぼやっとするなトグサ。課長、現場を制圧。人質1名が緊急医療必要。重度の外傷有。もう1名は頭部の損傷から死亡を確認。犯人はバトー達が追跡中。
荒巻大輔:よし、大臣以下全員を外に誘導しろ。用心してだ。正面玄関にテント通路とワゴン4台を用意した。警戒態勢B6で移動しろ。
草薙素子:了解。
トグサ「歩けますか?大臣。」
外務大臣「ああ、助かったよ。有難う。」

パズ少佐、標的はサイボーグ。記録と照合中。今の所該当者無し。
草薙素子:何を待っていたのか聞き出す迄殺すな。
バトーボーマ、もうじき合流する。
パズ:車の前に飛び出すなよ。
バトー:子供か?俺は!タチコマ、付いて来てるか!?

バトー「遅えぞタチコマ!」

バトー「観念したか?」
男「うぅ・・・!」
バトー「ああ!?」
パズ「ふう・・・」
バトー「やばいかも・・・」

荒巻大輔「入れ。」

荒巻大輔「話を聞こうか。」
久保田「ああ・・・実は脳にダメージを受けた大臣の秘書官、彼女は私の部下で大臣の身辺を内偵させていた。」
荒巻大輔外務大臣を?」
久保田「うむ。最近彼の辺で一ノ瀬レポートに興味を示す動きがあってね。」
荒巻大輔「非常時における外交及び軍事的戦術シナリオを含む法だな。」
久保田「うむ、もちろん軍が開示要求を受ければそれを拒めない。しかし大臣直々の指示と言う訳でもなかったし、今迄は何とか遣り過ごして来た。内偵は言わば安全確認の為の通常業務だった。」
荒巻大輔「では、何故秘書官が襲撃を?」
久保田「うむ、何か掴みかけた為に消されかけた可能性はある。」
荒巻大輔「大臣の身辺状況は?」
久保田「一通り洗った段階では白。脅迫されている様子も口座に不振な動きもない。」
荒巻大輔「お前らしくもない。」
久保田「ううむ、今回は抜かったよ・・・」
荒巻大輔「お前が良ければこの件内で調べてみようと思うが、どうだ?」
久保田「助かる。だがお前の経歴に傷が付く様な事はするな。最後は俺が被る。」

草薙素子「で?」
荒巻大輔「大臣の身辺をもう一度洗い直せ。それと料亭内で何が起きていたのかを徹底的に調べろ。儂は一ノ瀬レポートと軍の利害関係を洗い直す。」
草薙素子「あら、彼友人じゃなかったの?」
荒巻大輔「そうだ。だから儂が調べる。」

バトー「自分で記憶を焼き消すとは見上げた根性だ。脳に障害が残っちまうかもしれないのに。お陰で俺は笑いもんだぜ。」

草薙素子「経費の無駄使いね。任務の度に慌てて射撃練習する位なら、義体化する事をお勧めするけど?」
トグサ「それって、俺もサイボーグ化しろって事・・・」
草薙素子「公私混同を命令で出す程野暮じゃないわ。今日の射撃にしたって上出来だと思ってるわよ。でも貫通弾が人質に当たりそうだと思ったのなら、その場の判断で応用を利かせなさい。その9ミリ、腰に下げてたんでしょ?もう・・・何の為にあんたを本庁から引き抜いたと思ってるのかしら?落ち込む暇があったら自分の特技で貢献しようと思わない?あたし達が突入する迄の10数分間、何が起きていたのか徹底的に洗うわよ。」

老人「お孫さんは元気かね?」
荒巻大輔「どう思う?」
老人「せっかちだなお前さんは。ふむ・・・一ノ瀬レポートは軍の予算に影響しない。君が興味を持つ様な物でもない。」
荒巻大輔「政、官、どちらの意向だ?」
老人「あれで損をする軍人はあれを知る立場にない。知らない物は探さない。君の言葉だ。」
荒巻大輔「相変わらずだな。」
老人「近くに海老の旨い店が出来た。寄って行かんか?」
荒巻大輔「また今度な。」

イシカワ少佐がお待ちです。」
荒巻大輔「うむ。」

荒巻大輔「何が出た?」

草薙素子「事件直後のの間の映像。それと料亭内に設置してあるカメラからの気になる映像よ。」
荒巻大輔「うむ。」

草薙素子「その男、北米ニュートロン社製の脊椎ユニットを搭載していた筈なのに、潰れた筐体のパーツを集めても元の筐体に組み上がらない事が判明。次は外務大臣と芸者のトイレ前の映像ね。」
荒巻大輔「芸者と?」
草薙素子「ええ、彼酔うと時々芸者と体を取り替えて遊んでいたみたい・・・それは死亡した北米産業の役員よ。」
荒巻大輔「彼もその遊びに?」
草薙素子「そこ迄は・・・トイレ内の映像はなかったわ。で、心配になった秘書官が登場。そこね、秘書官が襲われたの。」

荒巻大輔「うむ。」
草薙素子「死亡した北米産業の役員が最初に襲われ、その後に秘書官が襲われたと証言しているもう一人の北米役員の話とは食い違うわ。後援会長はかなり酔っていて詳細を覚えていないけど、初めに聞いたのは秘書官の悲鳴だった気がすると警察では答えている。」
荒巻大輔「彼女は何を見たのだ?」

トグサ(彼女は何を見たんだ?)

トグサ「歩けますか?大臣」
外務大臣「ああ、助かったよ。有難う。」

トグサ:あ・・・!少佐外務大臣の奴、芸者と体を入れ替える趣味があったって証言ありましたよね!?
草薙素子:ええ、それで?
トグサ:大臣は脳殻を積み替えられたんじゃないでしょうか。敵の狙いが一ノ瀬レポートだとしたら、必要なのは外務大臣としての容姿、外見だったのでは?
草薙素子:秘書官は大臣が脳殻を積み替えられる所を見てしまった・・・
草薙素子イシカワ!」
荒巻大輔久保田、荒巻だ。外務大臣の事だが」
久保田「たった今外務大臣が北米産業振興会の連中と一緒に来ている。一ノ瀬レポートを持っていった。コピー不可の暗号プリントを渡したんで再デジタライズで若干の時間稼ぎは出来るが・・・」
荒巻大輔「大臣は今何処だ?」
久保田「空港に向かっている。北米産業振興会主催のパーティで挨拶する為アメリカに飛ぶらしい。」
草薙素子バトー、装備L2で緊急起動。トグササイトーを拾ってそのまま空港に向かう!

官僚「大臣、申し訳ありません。専用機が天候不順で15分程遅れているそうです。」
外務大臣「そうか。」

草薙素子「先に出るわ。」

外務大臣「ん・・・んん!?」

官僚「大臣、お待たせしました。専用機が到着したそうです。」
荒巻大輔「お待ちください大臣。」
外務大臣「ん?君か。夕べは助かったよ。一体何の用かね?」
荒巻大輔「これをお届けに参りました。」
外務大臣「何かね・・・?病気療養につき公務を辞退いたします旨・・・私が?後任人事とはどういう事だ!?」
荒巻大輔「お読みになった現在、貴方はもう大臣ではありません。」
外務大臣「なんだと!?何の権限で!?」
荒巻大輔「総理並びに与党役員会の承認事項です。何でしたらご確認を。議員、貴方には昨夜の事件でスパイ容疑、並びに諸外国への政治的亡命の嫌疑もかけられております。ご同行願えますかな?」
外務大臣「貴様!何様のつもりだ・・・!?あ・・・」

トグサ「やめろ!守るべき大臣はそいつじゃない。」

トグサ「脳殻を確保しました。」
荒巻大輔「うむ。お前が何者なのか、時間をかけてゆっくり聞く事になるだろう。連行しろ。」

久保田「彼女は電脳技術とマイクロマシンで脳のサポート手術を受ける様だ。言語野に多少障害が残るそうだが、日常生活に支障は無いそうだよ。」
荒巻大輔「そうか・・・」
久保田「今回の事件、内で処理出来なかったのは残念だが、礼を言うよ。」
荒巻大輔「事件直後、お前が踏ん張らなかったら警察の突入、ロボットを射殺、で一件落着。9課の介入もなく今頃メディアは外務大臣の亡命スパイ疑惑で持ちきりだったろう。」
久保田「しかしよくあんな短時間で政治家の説得材料や関係書類を用意出来たな。」
荒巻大輔「備えあればなんとやらさ。」
久保田「天候不順など無かったのに、大臣専用機は遅れてくれるしな。」
荒巻大輔「それが公安9課だよ。」



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