the Cat Met with Special Boxes.

第13話 ≠テロリスト NOT EQUAL

のっといこーるてろりすとUnequal Terrorist

粗筋

10年以上前に誘拐されたきり行方不明になっていた少女エカが、海上プラントで昔のままの少女の姿で発見された。
海上保安庁からの要請を受けた9課は、現地入りし捜査にあたる。
そこは日本領土とは名ばかりの不法地帯であった。
電脳化義体化をしていないゲリラ達に梃子摺る9課。一体エカは何者なのか・・・


登場人物

用語

セリフ

荒巻大輔「この写真を見てくれ。真ん中の娘だ。」
草薙素子「この子、何処かで・・・もしかしてトクラ・エレクトロニクスの?」
荒巻大輔「そうだ。16年前に人類解放戦線亜流セクト※1興国の旅団に誘拐されたトクラ・エレトロニクス社社長の一人娘、エカだ。」
バトー「いい面構えしてんな。」
草薙素子「まだ今程気軽に電脳化をする人もいなかった頃よ。父親の会社の最先端の製品をアピールする為にこの子も電脳化させられてね。」
トグサ「でもその結果奴等に目をつけられて誘拐された。」
草薙素子「ええ、よく覚えてるわ。何処か人事に思えなくて。」
イシカワ「思い出した。事件は未解決のままでしたね。何とか連中のアジトを特定し強襲したと聞くが娘は発見出来なかった。」
トグサ「じゃあ、これは誘拐された当時の?」
荒巻大輔「いや、それは2日前、既に放置されている沖縄沖二百海里の放射能除去プラントにおいて、海上保安庁のSST※2のメンバーによって撮影されたものだ。」
草薙素子「2日前?」
トグサ「って事はこれは彼女本人じゃない?」
荒巻大輔「それがそうとも言えんのだ。海保は当初、旅団の連中がプラントに上陸したとの報を受け、SSTの先遣隊を現地に送り内偵を行っていた。そこで偶然彼女を見つけた。これは一緒に送られてきたDNAデータだ。 SSTがこれをどうやって採取したのかは不明だが、過去のカルテとの照合の結果、彼女の物に間違いないと分かった。しかしこれを最後にプラント内の先遣隊 4名全員との連絡が途絶えた。そこでだ。あそこで何が起きているのか調べて来い。」

a stand alone episode:≠テロリスト NOT EQUAL

草薙素子バトー、どう?
バトー:誰もいねえな。もう随分人が入った形跡が無い。
草薙素子:旅団の連中もこの最下層迄は降りて来てなかったって事か。
荒巻大輔:儂だ。入ったか?
草薙素子:ええ、デッキは確保したわ。放置されて10年以上も経ってる割には予想以上の保全状態よ。船を着けるには大きさも十分ね。問題ないわ。
荒巻大輔:分かった。イシカワ、プラント上部に何か動きは?

イシカワ:穏やかなもんですよ。夜釣りにはぴったりですねえ。
荒巻大輔:今現在確認出来るSST隊員のGPS発信は一つ。その隊員が我々の動きを見ている。自力でプラント上部に出てくる可能性もある。2分で降下出来るよう待機しておけ。
イシカワ:了解。
イシカワ「だとよ。」
パズボーマ「了解。」
イシカワ「遊覧飛行でもしてのんびり待つか。」

タチコマA「ささささ、とうっ・・・!少佐、行き止まりです。」
草薙素子「見れば分かるわよ。」
タチコマA「あのお、お許し頂ければぶっ壊しますけど?」
草薙素子「駄目よ。目標に接近する迄は大人しくしてなさい。」
タチコマA「はあーい・・・」
草薙素子「面倒だけど、別の道から行きましょ。ここをバリケードしてるって事はこの先に何かあるって事は分かった訳だし。」
タチコマA「もしかしてここに入るんですかあ・・・?またつかえないといいけどなあ・・・」

トグサ少佐、思うんですけど・・・これってやっぱ旅団の連中に一杯食わされてるんじゃないすかね?生存者の居場所は確認出来るのに応答がないのも臭いし。」
草薙素子「全員消されたと?」
トグサ「断言はしませんけどね。少佐も考えてるんでしょ?あれは本物じゃないって。」
草薙素子「じゃあ何かしら?」
トグサ「まあ真っ先に考え付くのが義体かな。」
草薙素子「彼等が人類解放戦線の亜流セクトだって忘れてない?義体化にも電脳化にも反対する集団よ。それは無いと思うわ。それにSSTの最後の報告書にあったDNA鑑定の結果、あれはどう説明する?」
トグサ「旅団の連中が血液とか細胞を保存していたとは考えられませんかね?それでクローンを造ったとか。」
草薙素子「何の為に?」
トグサ「あーん、例えばですけど戸玖良氏の遺産を狙ってるとか。」
草薙素子「クローン説には今の所反証は見当たらないけど、16年前の姿で突然現れても情に訴える以外のメリットは無いわね。クローン人間は法的に遺産を相続出来ないし。まあ何らかの目的はあるんでしょうけど、そこに確かな疑問がある以上、それを自分の目で確かめてみたいって思わない?」
トグサ「本人を救出して調べてみればはっきりしますかねえ。」
タチコマA「まだまだ囁きが足りないなあ、トグサ君は。」
草薙素子「ふふ・・・」

「へい、お待ち。」
サイトーサイボーグ食ってのはどう見ても味気なさそうでいけねえな。」
バトー「あ?そうでもねえぜ。食うか?」
バトー「次のGPS発信がある迄動きようもねえんだ。のんびりやるさ。」
サイトー「考えてみりゃ囲を海に囲まれてるんだ。自給自足しようと思えば出来るわな。」
バトー「近海のジャンキー共にとっちゃ貿易の要所になってるみてえだしな。」
タチコマB「でもでもデータ以上ですねえ、この状況は。テロリストが紛れ込んでいても分からない筈だあ。近隣諸国がヒステリックになる訳ですよ。うんうん・・・あ、あ!待ってくださいー!」
露店主「お、そこの兄ちゃん、いいロボット連れてるな。どうだい、ここにある思考エンジンとそのロボットの腕一本と交換ってのは。」
タチコマB「えー本当?見せて見せて。」
バトー「駄目だ駄目だ、行くぞ。」
露店主「よーし!台湾製論理演算装置もつけようじゃないか。骨董価値がひじょーーに高し代物ですよ。」
タチコマB「お、バトーさん。SST榊原隊員のGPS発信が確認されました。」
バトー「本当か?」
タチコマB「今度は上に移動してますよ。」
バトー「おー、じっとしてて貰いてえもんだな。敵でも味方でもどっちでもいいからよ。行くぞ。」

バトー「SSTの榊原だな。安心しろ、助けに来た。ん?おい!」
榊原「け、消してくれ・・・」
バトー「どうした?もう大丈夫だ。」
榊原「頼む・・・消してくれ・・・頼むよー・・・うわあ消えろー!」
バトー「しっかりしろ!何があったんだ?おい!」

バトー「おい、分かるか?他の3人はどうした?」
榊原「殺された・・・あ、あいつがリーダーだったんだ。」
バトー「何だと?」
榊原「消してくれえ・・・頼む・・・」
バトー「おい、リーダーってどういう事だ?」
榊原「生きていたのに・・・何でなんだ・・・ひ、酷すぎる・・・」
バトー「繋がったのか・・・?彼女に。」
サイトーバトー。」
バトー「これは・・・成る程。ぎりぎりの所迄彼女に接近したって事は間違いなさそうだな。」

タチコマA「てへー、トグサ君そろそろ緊張してきたかなあ?」
トグサ「ふざけてる場合か!」
草薙素子トグサ、そっちは?
トグサ:こっちも誰もいません。
トグサ「この上でしょうね。写真に写っていた場所。このプラントに二つも管制室ないし。」
草薙素子「しっ!」

団員「うぅ・・・!」
草薙素子「警察だ。戸玖良エカは今何処にいる。」
トグサ「こいつ!なめてやがる。少佐、俺代わりますよ!」
草薙素子「貴方、歯医者って拷問、知ってるわよね?自分で味わった事はないと思うけど・・・」

草薙素子タチコマはここで誰も入れない様に見張ってろ。」
タチコマA「りょーかい!」

娘「いい加減にして!これが何か分かってるの!?何度も何度も同じ事を繰り返して!何回やれば気が済むのよ!もう我慢出来ない!」

バトー少佐、俺だ。SSTの生存者を救出した。命に別状はねえが電脳ウイルスでもぶち込まれたのかちょっと壊れてる。無線はつながるが応答は出来ねえ訳だ。
草薙素子:分かった。先にヘリポートに出て待機してろ。こっちも今から仕掛ける。

バトー:ちょっと待て。一つ気になる事がある。
草薙素子:何?
バトー:この榊原って奴がイカれちまった理由、どうやらあの娘にあるらしい・・・はっきりした事は言えねえがどうやらあの娘、旅団のリーダーになっている様だ。少佐電脳戦で負ける様な事はねえと思うが、あの娘に繋がる時は一応警戒しろ。
娘「これからは私の許可なく私のそばを離れてはいけない。どうして分かってくれないの!?そんなにあたしを独りぼっちにさせたいの!?いっつもあんたは」
草薙素子「まるでお姫様気取りね。革命家としては安っぽい演説だし・・・」
娘「誰だ!?」
草薙素子「警察よ。」
草薙素子「手を挙げなさい・・・早くしろ、この次は無いわよ。」
娘「こんな事をして生きてここから出られると思っているのか・・・?くあ!く・・・」

トグサ少佐、どうしたんです?」
老婆「その子じゃ・・・無いわ・・・」

タチコマA:少佐、武装兵士の一団が接近していまあす。
トグサ少佐。」
草薙素子タチコマ、状況は?
タチコマA:潜入がばれましたあ。後方でバトーさん達も攻撃を仕掛けられている模様。
草薙素子タチコマ、今すぐここに来い。対象者を収容し次第撤収する。
タチコマA:りょーかい!
イシカワ「ん?始まったな。よし、降下だ!」

バトー「くそっ、邪魔だ。タチコマ、こいつを収容しろ。」
タチコマB「りょーかい!」
サイトー「ん?何だ?」
バトー「これじゃあ射的の的だぜ。」
サイトー「仲間の屍を盾にしてやがる。」
バトー「きりがねえ。タチコマ、ワイヤーを狙え。」
タチコマB「りょーかい!」
サイトー「HV弾か、物騒な物持ち出して来やがって。」
タチコマB「負けないぞー。」
バトー「ったく、タチ悪いぜ。義体化もしてねえくせに死を全く怖れてねえ。」

イシカワバトーは・・・!?メスゴリラの救出ってか?余計な事を。」

バトー「待て、撃つな俺だ。」
草薙素子「何しに来たの?」
バトー「何って助けに来たんだよ・・・あれ?おいちょっと待て、娘は?」
草薙素子「うるさいからタチコマの中。」
バトー「ちょっと、・・・あの婆さん何なんだ?」
トグサ「連れてくってさ。」
バトー「はあ・・・?何だか分からねえが話は後だ。先に出ろトグサ。ここは俺が時間稼ぎする。」

タチコマB「どーだあ!」
サイトー「バカヤロー!ポッドの中に人が乗ってんの忘れてんのか!」
タチコマB「だってだってもっと戦争したいよぅ・・・ひえ!」
サイトー「対戦車ミサイルだ。」
タチコマB「あややや、は、早く逃げましょう!」
ボーマ「撃たせるな!」
サイトー「俺に任せろ。」

サイトー「管制塔へ向かえ。」

バトータチコマ、先に行け。」
タチコマA「りょーかい!」
イシカワ「よーし、出せ!」

草薙素子バトーバトー「ん?」
娘「汚い、手で、お母さんに触るな!」
バトー「お・・・お母さん?」
娘「離せ!離せったら!離せこのー!」
トグサ「この!じゃじゃ馬め!」
娘「お母さんに触るな!離せよこの!」

タチコマ「いやあ噂以上の所でしたなあ。」
タチコマ「えーどんなどんな?僕にも繋いでー。」

トグサ「本当に彼女、俺より年下なのかよ。」
バトー「これからはメディアの連中がわんさか押しかけるんだろうな。」
草薙素子「でしょうね。」
トグサ「SSTの奴等、少佐と同じ様にどっかで娘ではなく老婆の方が戸玖良エカ本人だって気付いてたんですね。そこで確信を得た時点で彼女に接触を試みた・・・そして電脳に繋がった。」
バトー「消してくれ・・・か。最初は何の事だかさっぱり分かんなかったが、ありゃ記憶を消してくれって意味だったんだな。誘拐されてからの16年、10歳の娘が一気に婆さんに見える位に老けちまうとは・・・はあ・・・その間何があったのか、想像もしたくはねえが・・・あとは何でエカの娘が奴等を従える立場になったかって事なんだが・・・」
草薙素子「確かめてみる気ある?彼女に繋がって。」
バトー「いや・・・やめとくわ・・・」


脚注
※1:sect 宗教的あるいは思想的に信条や主義を同じくする者の集団。分派。宗派。党派。また特に、新左翼の党派。
※2:Special Security Team 特殊警備隊の事。

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