【攻殻機動隊】第22話 疑獄 SCANDAL

the Cat Met with Special Boxes. - CMSB

ぎごくCorporate graft

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荒巻の実の兄が、招慰難民地区にて発見されると言うニュースが飛び込む。
荒巻は単身、兄の収容されていると言う病院に向かう。
一方で草薙は、ゲイルとの対決で傷んだ義体を換装しに行く。
しかし、麻薬取締強制介入班の残党が、まだ街中に潜伏している事実を、荒巻も草薙も知る由も無かった。

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新美「来たか・・・荒巻は私の所で止める。そう伝えてくれ。」
秘書「承知致しました。」

新美「入りたまえ。」
荒巻大輔「失礼致します。新美局長、ひまわりの会一斉捜査時における殺人、並びに今来栖尚殺害教唆の容疑で逮捕状が出ております。ご同行願いますかな?」
新美「介入の件は聞いているよ。しかし君は今来栖の殺害迄私が指示したと思っているのかね?」
荒巻大輔「介入班班長、安岡ゲイルですが、彼は意外に素直な男ですな。貴方との会話を記録していた様で、捜査には協力的です。今来栖殺害の目的についても笑い男事件に関連し色々伺う事になるでしょう。」
新美「良かろう。覚悟は出来ている。」
荒巻大輔「連行しろ。」

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荒巻大輔「儂は一旦本部に戻る。ボーマ新美の取調べに同行しろ。パズは麻薬取締課の人事課に行き、介入班の残党を洗い出せ。まずはそこからだ。」
パズボーマ「了解。」

荒巻大輔「神崎・・・議員。」
神崎修三「娘の件では世話になったな。」
荒巻大輔「いえ、職務を全うした迄です。議員こそ何故こちらに?」
神崎修三「失脚した身だ。暇を持て余していてね。これを機に一気に事件の真相に攻め込む気の様だが・・・君は新美の上を誰だと考えている?」
荒巻大輔「それはお答え出来ません。」
神崎修三「誰にも聞かれやせんよ。薬島幹事長か・・・?図星、か。気を付けろよ。あの人はいざとなったら怖い後ろ盾を持っているからな。余り知られてはおらんが海軍に滅法顔の利く人だ。」
荒巻大輔「ご忠告感謝します。」
神崎修三「ああ、只の独り言だがね。」

荒巻大輔バトー、ファイルを持っていた男の調べはどうなっている?
バトー:今ん所は、まだ・・・
荒巻大輔:そうか。奴は消された薬と笑い男事件の繋がりを知ると思われる重要参考人だ。ワクチン接種者リストを使って何をしようとしてたのか早急に目星をつけろ。
荒巻大輔:もう一つ、強化外骨格の出所の件だが、気になる情報がある。本部で詳細を話す。そちらで落ち合おう。
バトー:へい。

トグサ「課長から?」
バトー「ああ、強制介入班の裏で糸を引いていた、新美って男を親父が挙げた。」
トグサ「そうか、体に穴を空けられただけの甲斐はあったのかな。でも、強化外骨格ってのは?」
バトー「介入の奴等がどっかから持ち出して来やがったおもちゃだよ。少佐がそいつと遣り合ってな。で、熱だれして義体交換だとさ。」
トグサ「大丈夫なのか?」
バトー少佐はな。お前の言ってた事本当だったよ。俺も目を盗まれた。」
バトー「行くわ。やる事が山積みだ。暫くこいつを預けとく。」
トグサ「こいつは・・・!?まさか笑い男に?」

人事課員「ん?」
パズ「先程連絡した公安9課だ。」
部長「入るなら声位掛けてくれ!心臓に悪い・・・」
パズ「強制介入班の構成員名簿を顔写真入りで貰いたい。」
部長「麻取は基本的に顔を持たん連中だ。浮浪者、ミュージシャン、暴力団員・・・従って今の顔がこのままかは分からんぞ。」
パズ「事務屋暮らしは気楽だな。」

記者「公安9課の荒巻さん、ですよね?すいません、京スポなんですが。」
荒巻大輔「何処から入った?」
記者「いえねえ、ちょっと伺いたい事がありまして。この人、貴方のお兄さんですよね?先日この洋輔氏が麻薬を密売した容疑で逮捕されて、自身も重度の麻薬中毒症で警察病院に収容されているって事なんですけど、何か聞いていませんかね?」
荒巻大輔「確かに兄の様だが戦時中に行方不明になってからは一度も会ってはおらんよ。」
記者「ちょっとお話聞かせて貰えませんかねえ?」
記者「あ、ちょっと写真!」

包田那珠美「これが新しい素子の義体?今のと同じじゃない。オーダーメイドにすれば良かったのに。」
草薙素子「見た目はいいのよ。」
包田那珠美「何これ?規定違反のオプションばっか。もう想像しただけで体が熱くなってくるじゃない。でもさ、立会人が私で良かったの?」
草薙素子「問題ないんじゃない?正規のライセンス持ってる訳だし。ちょっと背中留めてくれない?」
包田那珠美「それにしても先生遅いわね。」
草薙素子「ありがと。」
包田那珠美「私、ちょっと見てくるわね。」
草薙素子「ええ、お願い。」

荒巻大輔公安9課の荒巻だ。兄に面会したい。」
警官「申し訳ありません。上からの命令で、身内である貴方を面会させる訳にはいかないんです。」
荒巻大輔「3分でいい。事実を確認するだけだ。」
警官「済みません、規則ですので・・・」
荒巻大輔「そうか・・・」
警官「ん?」
荒巻大輔「兄は・・・荒巻洋輔の容態はどうだ?」
警官「それもお答え出来ません。」
荒巻大輔「そうか・・・」

サノー「お待たせしちゃってご免なさい。私が担当のサノーです。あらあ、今更初めてじゃないでしょ?痛くしないから大丈夫よ。ふーん・・・じゃ、早速診察始めます。立会人の貴方は部屋の外で待ってて頂戴ね。」
サノー「これが貴方の新しい体ね。換装の際はネットワーク機能は全てオフにさせて頂きます。この室内は貴方の義体換装が終わる迄電波を完全に遮断しちゃうの。ご了承頂ける?」
草薙素子「さっさとやって頂戴。急いでるの。」
サノー「んふふ、せっかちなのねえ。それじゃあ貴方の中身見させて頂きまーす。」
サノー「流石いい体してるわあ。んふふふ・・・」

バトー「親父の奴遅くねえか?」
イシカワ「お前、笑い男に目を盗まれて心配性になってるな。」
バトー「親父から此処で情報を聞く事になってんだよ。」
イシカワ「ふぅ、一応追い掛けてみるか。」
イシカワ「ん?一旦戻って来てる。駐車場から新聞記者の身分照合を掛けてる。」
バトー「聞屋を?」
イシカワ「妙だな。課長の奴自閉モードにしてやがる。」
バトー「GPSは?」
イシカワ「車は招慰難民居住区だ。ログには3分前から駐車記録がある。」
バトー「あんな物騒な所に!?ったく何考えてやがんだ?ちょっと様子見てくるわ。」

男1「洋輔え、洋輔じゃねえのか?あはあ、もう戻って来れたのかよ?いいべべ着てよー。これかあ?うへへへへ。」
荒巻大輔「洋輔を知っているのか?」
男2「あんた、洋輔の弟だろ?そっくりだからすぐに分かったよ。」
荒巻大輔「洋輔は此処にいたのか?」
男2「ああ、昨日警察に連れて行かれちまったけどな。」
荒巻大輔「何があったのか聞かせて貰えないか。」

男1「洋輔はみんなに尊敬されてたよ。此処に秩序をもたらしたのは洋輔だあ。」
男2「それ迄此処は只の無法地帯だったからな。なのに突然警察が来て洋輔を連れて行っちまったんだ。」
荒巻大輔「では、麻薬の密売には関係ないんだな?」
男1「当然だ。」
男2「この中に警察がした事を記録してやったんだ。洋輔の無実を証明出来る筈だ。洋輔を助けよう。」

バトー「荒らされた形跡はねえな。自分から降りたって事か・・・」

バトー;中の映像を拾えるか?
イシカワ:居住区内の監視カメラのログが見つかった。課長の奴、誰かと会ってるな。
バトー:荒いな。もっと取れねえか?
イシカワ:ちょっと掛かるかも知れんぞ。
バトー:頼む。

パズイシカワ、介入班の残党3名の現在の顔が割れた。データ一式そっちに送る。
イシカワ:了解。放り込んでおいてくれ。」
イシカワ「来たか。待ってろよ。後で相手してやるからな。」

荒巻洋輔「何をする!離せ!」
警官「垂れ込みがあったんだ。大人しくしてろ!」
荒巻洋輔「何をしている!?なんも出て来やせんぞ!」
警官「あったぞ。」
荒巻洋輔「な・・・!?謀りおったな貴様等・・・何をする!?」
警官「大人しくしろ!」

荒巻大輔「やはり捏造された物だったか・・・」
男1「ああ、本当に汚い連中だよ。あいつ等はきっと手柄が欲しくて洋輔を陥れたんだ。洋輔はこれ迄にたったの一度だって麻薬に手を出した事なんて無かったのによー。」
荒巻大輔「これだけ決定的な証拠があれば、兄の無実を証明出来る。有難う、この礼はいつか必ず・・・」
男1「いいよー、だってよー、あんたは無事に帰れんもんよー!」
荒巻大輔「え?」

男1&男2「へへへへ。」
荒巻大輔少佐・・・!

イシカワ:ノイズが外れた。ん・・・?こいつ等!?
バトー:どうした?
イシカワ:今送る。
バトー:おい!こりゃあ・・・
イシカワ:課長の奴完全にはめられたぞ。ん?自閉モードが解除された。
男1「もうすぐ警察が来る。あんたも御仕舞だな。」
バトー:うーっと、なんだこりゃ?麻薬か?
イシカワ:まずいぞ。所轄が麻薬密売の現行犯逮捕の為に難民居住区に急行中だ!
バトー:糞っ垂れ!

サノー「お脳の辺り、痛くありません?」
草薙素子「面白くない冗談ね。脳に痛覚なんて無いでしょ。」
サノー「そんな事言わないで、もっとゆっくり楽しみましょ?それとも私がお嫌い?」
草薙素子「残念だけどその通りよ。分かったらさっさと終わらせて頂戴。私も暇じゃないの。」
サノー「あーら、生意気なお口ね。」
サノー「言語野を絞らせて貰いました。最も、どんな大声を出した所で誰も助けに来てはくれないけどね。」
サノー「草薙さーん、ご気分はいかがですかあ?あら、反抗的なお目々、いけないわあ。」
サノー「どう?赤のない世界。綺麗でしょ?私も本当はこんな野蛮な事はしたくないのよ。でも貴方達って少しだけ遣り過ぎちゃったのよねえ・・・」

イシカワ:所轄が着いたぞ。
バトー:見えてるよ。

警官「警察だ!・・・あ、あれ?おい、本当に・・・なんなんだよ糞っ!」

バトー「糞め。」
バトー「しっかりしろよ親父・・・」

草薙素子:何これ?私への当て付けかしら?
笑い男:不快な脳波、出てますよ。とりあえず僕の目、使ってください。
草薙素子:貴方、笑い男ね。
笑い男:会うのは3度目ですけど、分かります?その呼び名は、みんなが勝手に呼んでるだけなんですけどね。
草薙素子:こんな所に迄乗り込んで来るなんて随分と大胆ね。何しに来たの?
笑い男:助けて貰いに来ました。
草薙素子:逆なんじゃない?言ってる事。
笑い男:確かに。だけど、今の僕はこてんぱんで、こんな手しか思い付かなかったんです。もし神様の野郎が僕を見捨てていなかったら、きっと手を貸してくれるだろうって。
草薙素子:勝手ね。それに礼儀正しい様で罰当りな言葉遣い。
笑い男:今度ばっかりは負ける訳には行かないんです。このままじゃ世の中全てのいんちきが正当化されてしまう。
草薙素子:世界中の問題を1人で背負い込んでいる様な勢いね。で、ネットのヒーローが私に何をして欲しい訳?
笑い男:貴方に笑い男事件の真相を全て伝えます。その上でこれから僕が仕出かす最後の挑戦を、黙って見ていて欲しいんです。そして、もし僕が敗れて死んだりなんかした場合には、この事件を貴方達で白日の下に晒してください。
草薙素子:全く・・・未成熟な人間の特徴は理想の為に高貴な死を選ぼうとする点にある。それに反して成熟した人間の特徴は理想の為に卑小な生を選ぼうとする点にある。
笑い男:精神物理学者ウィルヘルム・シュテーケル※1の言葉ですね。
草薙素子:やっぱり最初に感じてた通り私の嫌いな人間ね。頭でっかち。
笑い男:そういう貴方も前者じゃないですか。一言助けてって言えばなんとかするのに。
草薙素子:同属嫌悪。仕方無いわね。なんとかして頂戴。約束を守るかどうかは分からないけど。
笑い男:守りますよ、貴方なら。
笑い男:僕の記憶を置いて行きます。頼みましたよ。」
笑い男:じゃ、宜しく。

サノー「さ、て。名残惜しいけど、苦しまずに逝かせてあげるわ。」
サノー「針が・・・!?あ・・・きゃあ!」
草薙素子「ふぅ。」
包田那珠美「な、何・・・!?」
草薙素子「なんでも無いわよ。」
バトー少佐草薙素子:何?
バトー:親父がやられた。

刑事「新美局長、取調べの時間です。新美局長?」

草薙素子「課長。」
荒巻大輔「新しい義体の調子はどうだ?」
草薙素子「見ての通りよ。課長も思ったよりも元気そうね。」
荒巻大輔「まあな。」
草薙素子「起きてばかりで悪いんだけど、良い知らせと悪い知らせが1つずつ。」
荒巻大輔「悪い方から聞こう。」
草薙素子新美局長が電脳自殺を図ったわ。言語野と記憶野の一部が意味消失。これで彼の証言には司法的証拠能力が無くなってしまったわ。それと、もう一つの良い方なんだけど、課長のお兄さんの件、全て強制介入班の残党がでっち上げた偽装工作だったわ。」
荒巻大輔「それも余り良い話とは言えんな。」
草薙素子「もしかしたら、お兄さん本当にあそこにいたのかも知れないけど。」
荒巻大輔「犯罪の裏を暴こうと躍起になって来た儂だが、この寒空の下、何処かで暮らしている兄の事すら気付かずにいるのが現実だ。近しい者の姿を見ず、声を聞かず、公務を全うする事が正義と考え此処迄来たが、それが正しい事だったのか、正直分からなくなった。」
草薙素子「でも、この後も攻め続けるんでしょ?」


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※1:Wilhelm Stekel 1868年3月18日~1940年6月25日 オーストリアの内科医及び心理学者。ジークムント・フロイトの最も優れた生徒とも呼ばれた。

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